すでにキャリーバッグが苦手な猫ちゃんは、別メニューのトレーニングが必要になります。
ここではキャリーバッグが苦手でない(苦手になる前の)猫ちゃんを対象にしたトレーニングを説明します。
1.キャリーバッグを居心地の良い場所に!
キャリーバッグの扉(天面、前面どちらでも)を開いて、部屋に置いておきましょう。
- ●扉が突然閉まってしまわないように注意してください。
- ●猫ちゃんの匂いのついたタオルや毛布を入れておきましょう。
- ●キャリーバッグは、夏は涼しい場所に冬は暖かい場所に置くとよいでしょう。
猫ちゃんの知らない間に「ごほうび」を仕込んでおきます。
- ●食べているのを見かけたら、「ごほうび」を追加! 声掛けも忘れずに!
- ●猫ちゃんが上半身だけ入って食べている場合は、「ごほうび」をだんだんと奥まで入れるようにしてください。
猫ちゃんの全身が入るようになったら、扉を一瞬閉めて「ごほうび」をあげます。
- ●猫ちゃんが、出てこないで「ごほうび」を食べるようなら、扉を閉めてすき間から「ごほうび」を追加してください。
耳の向きと「ごほうび」を食べているかに注目!
猫ちゃんが不安になっているようであれば、すぐに扉を開けましょう。
扉を閉めた状態で「ごほうび」を食べていて、扉を開けてもでてこないようであれば、「キャリーバッグ=居心地の良い場所」になっています。
2.キャリーバッグの揺れに慣れてもらう
猫ちゃんが入ったキャリーバッグを、1cm程度そっと持ち上げて、降ろしてください。
- ●すき間から「ごほうび」をあげてください。声掛けも忘れずに!
耳の向きと「ごほうび」を食べているかに注目!
猫ちゃんが不安になっているようであれば、「1.キャリーバッグを居心地の良い場所に!」のトレーニングに戻ってください。
次に猫ちゃんが入ったキャリーバッグを、そっと持ち上げて、90度向きを変えてから降ろしてください。
- ●すき間から「ごほうび」をあげてください。声掛けも忘れずに!
耳の向きと「ごほうび」を食べているかに注目!
猫ちゃんが不安になっているようであれば、「そっと持ち上げるトレーニング」または「1.キャリーバッグを居心地の良い場所に!」のトレーニングに戻ってください。
●「持ち上げる」、「向きを変える」に慣れてきたら、最後は移動するトレーニングです。
3.キャリーバッグ(タクシー)でごはんを食べに行こう!
猫ちゃんのごはんの時間になったら、まずごはんの用意をしてください。
あとはお皿を置くだけという状況の時にキャリーバッグに入ってもらいごはんの前に移動して扉を開け、ごはんを食べさせてあげましょう。
- ●最初の移動は90度向きを変えるだけにして、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
- ●このトレーニングは、ごはんに限らず猫ちゃんの行きたいところがあれば、何でも応用可能です。
「キャリーバッグで遊び場に行こう!」でも「キャリーバッグで窓から外を見に行こう!」でもかまいません。
キャリーバッグの取手に関するとっても大事なお話
ハードキャリーで、取手が折り畳み型のキャリーバッグをお使いの飼い主さま。
取手を収納する際、取手がキャリーバッグの天井部分に当たり、カタンと音がするのをご存じでしょうか?
カタンと音がする度に、猫ちゃんはびっくりして不安になり、それが原因でキャリーバッグが嫌いになるかもしれません。
取手には必ずハンカチ等を巻いてご使用ください。想像してみてください、家の天井からものすごい音が響いてきたら…
猫ちゃんにとっての楽しい遊び
猫ちゃんが楽しいと感じるのは、獲物を追いかける、獲物を捕まえるといった狩猟本能が刺激されることです。
また、猫ちゃんは食べ物を「頑張った報酬」としてもらうほうが幸せに感じることがわかっています。(コントラフリーローディング効果という現象です。)
- 「トレーニング = 何かを頑張ると食べ物を食べられる」
- 「狩り = 獲物を捕まえると食べ物を食べられる」
このように「トレーニング」と「狩り」には狩猟本能を刺激する共通点があります。猫ちゃんにとってのトレーニングは狩猟本能が刺激され、頑張った「ごほうび」としてオヤツをもらえる楽しい遊びのひとつなのです。
●猫ちゃんが飼い主さまとのトレーニングを楽しむことを目的とした「猫ちゃんとの楽しい!ゲームトレーニング」をのページご覧ください。